平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)
篠田 英朗 / 本
無料ダウンロード平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書) pdf - 篠田 英朗による平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)は筑摩書房 (2013/10/7)によって公開されました。 これには153ページが含まれており、本というジャンルに分類されています。 この本は読者からの反応が良く、4人の読者から4.8の評価を受けています。 今すぐ登録して、無料でダウンロードできる何千もの本にアクセスしてください。 登録は無料でした。 サブスクリプションはいつでもキャンセルできます。
平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書) の詳細
この本を見つけたり読んだりすることにした場合は、平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)の詳細を以下に示しますので、参考にしてください。
タイトル : 平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)
作者 : 篠田 英朗
ISBN-104480067418
発売日2013/10/7
カテゴリー本
ファイル名 : 平和構築入門-その思想と方法を問いなおす-ちくま新書.pdf
ファイルサイズ25.32 (現在のサーバー速度は21.39 Mbpsです
無料ダウンロード平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書) pdf - 内容紹介 平和はいかにしてつくられるものなのか。武力介入や犯罪処罰、開発援助、人命救助など、その実際的手法と背景にある思想をわかりやすく解説する、必読の入門書。 内容(「BOOK」データベースより) 冷戦が終結して二〇年以上が経った今も世界各地で武力紛争が絶えない。平和は本当に構築できるものなのか。武力介入や犯罪処罰、開発援助や人命救助で平和はつくれるのか。そもそもなぜ我々は平和構築に取り組まねばならないのか。平和構築の方法や思想を根源から問いなおし、目まぐるしく変わる平和構築の実際的手法を解説し、その背景にある考え方を体系的に描き出す。責任ある国際社会の一員として平和構築に携わらねばならないこれからの日本人にとって、必読の入門書。 商品の説明をすべて表示する
カテゴリー: 本
平和構築入門: その思想と方法を問いなおす (ちくま新書)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
というのを非常にシビアな目で分析している、平和構築の現状と課題を分析する入門書である。といっても筆者自身が平和構築の現場で働いていたことのある人間だけあり、決してシニカルに眺めているわけではなく、その批判や提言には説得力がある。本書は、まず平和構築が近年熱心に行われる背景理由として、主権国民国家による国際社会構築という意識があることについて簡単に議論する。その後、国家建設・治安維持(武力介入)・国際法・経済援助・人道支援の五つの観点について、それぞれ一章ずつ割いて、それらを用いた平和構築の現実と、それらが本当に平和構築に寄与しているのかを議論している。ただし、五つすべてが独立な要素というわけではなく、これらは互いに絡み合った論点である。国家建設によって平和を構築する、というのは主権国家が国民を保護するという従来的発想には非常に整合的だが、実態としては問題を孕むことも多い。すでに政府を名乗る独裁政権がいる場合、結果としてその独裁政権の維持にかえって力を貸してしまうこともある(カンボジアのフン・セン政権など)し、紛争の一方当事者を欠いた疑似和平合意の下で国家建設を進めようとしても、国際社会の軍事的介入低下とともに紛争が再発するケースもある(アフガニスタンのボン合意など)。しかしそれでも、独裁者の政権でも国家崩壊状況よりはまし、という側面は否定できず、国民は苦渋の選択を迫られている状況にあるともいえる。軍事介入に関する方向性の変化として、2008年の「キャップストーン・ドクトリン」が中立性から公平性への転換を取り上げ、人道のための積極的介入をPKOミッションに認める流れを取り上げている。ガリの「平和執行」の概念は後ろへ退き、代わりに「保護する責任」「文民の保護」という人道の概念が法規範・国連機能としても前面に出てきている。国際人道法は、戦争の存在を前提としたうえで、戦争状態においても「法の支配」を貫こうとする姿勢である。一方、日本人は「戦争は嫌だ。戦争が起きたら世界は終わりだ(法など機能しない)」という正反対の思考に陥っている、と筆者は手厳しく批判している。国際人道法の嚆矢はサンクト・ペテルブルグ宣言で、そこで「不要な苦痛の禁止」「戦闘員と非戦闘員の区別」という国際人道法の大原則が導かれたが、その背景にあるのが「戦争の唯一の正当な目的は、敵国軍隊の弱体化である」という発想である。しかし、戦争犯罪法廷やその後の法と憲章の樹立などになると、特にアジア諸国はこのようなプロセスによる平和構築を経ておらず支持は乏しくなりがちであり(ICCに顕著)、また土着の制度よりも国際社会の規則を優先しているという押しつけ的側面もある。人道支援というと、動機が善ならば善と考えがちであるが、そうはいかないという重要な教訓もある。湾岸戦争時に「安全地帯」をクルド人地区に設けて成功したため、ボスニアでも類似のことをスレブレニッツァに設置したが、ここは防御能力を確保できなかったため武装勢力に襲撃されて数千人の虐殺被害が出た。また、ルワンダ虐殺後のルワンダ難民キャンプに行われた膨大な人道支援は、徴収・収奪されてRPFの武器へと変わり、紛争をむしろ激化させるという面を持ってしまった。この事件から「Do No Harm」原則が強く意識されるようになった。また、当人は公平な人道支援のつもりでも、一方の立場や先進国代表のように見られて人道支援を行う人が襲撃されるケースも増えているという。人道支援の難しさを、決して悲観的にでもシニカルにでもなく、しかし粘り強く論じている好著である。「平和」を実現させることに関心がある人は、是非とも本書を読んでじっくりと考えるとよいと思う。
0コメント